きみと秘密を作る夜

関係



月が替わり、祖母が退院した。


帰ってきてからの祖母は、杖がないと辛いらしい。

ケアマネージャーと相談した母は、業者を呼び、家のいたるところに手すりをつけた。



それから春を迎え、私たちは中学3年生になった。



私と晴人は、今年は違うクラスだった。

今まで同じクラスだったからって学校では会話もしない私たちだったけど、それでも視界に晴人がいる安心感は絶大なものだったのに。


やっぱりきちんと神頼みしておくべきだったのかもと、今更思っても遅いのだけれど。

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