きみと秘密を作る夜
「ガキの台詞だな」

「何よぉ。私よりちょっと早く生まれただけで、偉そうに年上ぶったこと言わないで」


苦いとはいえ、そのうち味に慣れるだろうと、ちびちびとビールを飲み進めて行く。



しばらくしたら、体が熱くなってきた。

全身の血管が、どくどくと脈打つのがわかる。


何だか変な気分になってきた。



「なぁ、里菜子」

「何」

「ふたりでビール飲んでるだけで、楽しいか?」

「え?」

「どうせなら、ふたりでしかできない、もっと悪いことしねぇ?」


晴人の目が、私を見る。

体が熱くてたまらない。



「何すんの?」

「セックスだよ」


言った瞬間、晴人は私を突き倒した。

アルコールの入った体は、簡単に床に転がる。


麻衣ちゃんの真っ赤な顔を、頭の中で黒く塗り潰した。



「いいよ。しよっか」


声は、わずかだが震えた。

だけど、それよりも、私はもっとちゃんと、晴人がほしかった。
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