きみと秘密を作る夜
光と影
私たちは、暇さえあれば、互いを求めた。
寄り添って、ぬくもりを共有していなきゃ、自分を形作っているものが壊れてしまいそうで怖かったから。
晴人と抱き合っている時だけは、心の奥の奥にある空虚な部分が満たされるような気がしたから。
麻衣ちゃんは、しきりに私に、晴人のことを聞いてきた。
「ちゃんとクッキー渡してくれた?」、「ハルくん何か言ってたかな?」、「喜んでくれた?」、「ねぇ、リナちゃん」。
私は、知らぬ存ぜぬを貫き通したけれど、でも内心ではひどく優越感に浸っていた。
あんたの好きな晴人は、残念だけど、私とのセックスに夢中だよ、と。