きみと秘密を作る夜
星落ちて
夏休みは、晴人と花火をしたし、ゆっこたちと祭りにも行った。
そして迎えた新学期。
夏休みが明けると、みんな一気に受験生という自覚が出てきて、何だか少しだけ、今までと空気感が変わったように感じる。
「リナちゃん。模試どうだった?」
「西高、A判定だったよ。このままなら大丈夫だろうって、先生にも言われたし」
私の言葉に、祖母の顔がぱあっと輝く。
「そうかい、そうかい。それなら安心だねぇ」
「うん。私、絶対、西高行きたいからさ」
晴人と一緒に西高に行く。
そのためなら、勉強だって全然苦ではなかった。
「でもあんまり無理しちゃいけないよ? 家事だって、リナちゃんがやる必要はないんだからね?」
「大丈夫、大丈夫。それは私が好きでやってることだし。だから心配しないでよ、おばあちゃん」
願うのは、祖母がずっと元気でいてくれること。