きみと秘密を作る夜
学校で、誰とも話さないまま一日を終えることにも慣れた。
私自身が、まわりのみんなと、適当にしか友情を築けなかったのだから、しっぺ返しは当然だと思う。
いるのに、いない、幽霊のような私。
母ともすっかり話さなくなった。
でも必要なことは祖母に伝えればいいだけだし。
祖母はいつも私を見て悲しい顔をしているけれど、母と喧嘩する姿を見せるよりはマシだと思うようにしている。
「ねぇ、クリスマスどうする? みんなで集まる?」
「ごめーん。あたし家族でネズミの国に行くんだぁー」
「はい、死刑」
笑い声が響く教室で、私はあくびを噛み殺す。
もうすぐ冬休みだ。
やっとこの息苦しさから解放されることが、喜ばしかった。