嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
「どうりでお詳しいんですね」
「でも幼馴染で、常連で、職人志望だからといって誰でも詳しいわけじゃないんだよ。そこは花帆ちゃんの努力だからね」
長尾さんがやたらと褒めてくるものだから、照れくさくなって意味もなく頭を掻いた。
「それで、今日はなにをお求めですか?」
急に店員らしく敬語になった長尾さんに促されてショーケースと睨めっこする。
「普通の桜餅と道明寺桜餅をひとつずつ。あと、粒さくらの十二粒入りをひとつと、今月の上生菓子をひとつずつお願いします」
迷ったけれど、せっかく足を運んだのだし全種類買うことにした。今月の上生菓子はまだ口にしていないし、機会を逃して食べられなかったら後悔する。
それに、私だって一応お客さんだもんね。
「でも幼馴染で、常連で、職人志望だからといって誰でも詳しいわけじゃないんだよ。そこは花帆ちゃんの努力だからね」
長尾さんがやたらと褒めてくるものだから、照れくさくなって意味もなく頭を掻いた。
「それで、今日はなにをお求めですか?」
急に店員らしく敬語になった長尾さんに促されてショーケースと睨めっこする。
「普通の桜餅と道明寺桜餅をひとつずつ。あと、粒さくらの十二粒入りをひとつと、今月の上生菓子をひとつずつお願いします」
迷ったけれど、せっかく足を運んだのだし全種類買うことにした。今月の上生菓子はまだ口にしていないし、機会を逃して食べられなかったら後悔する。
それに、私だって一応お客さんだもんね。