嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
仁くんはお菓子作りの勉強もかねていろいろな国に行っていると杏ちゃんから聞いている。もちろんその海外旅行には仁くんの父親である社長や、芸術方面に興味がある杏ちゃんも一緒。そして必然的に弥生さんも同伴するので家族旅行と変わらない。
朝霧家は仲がよく理想の家族像だ。
そして海外の美女にすら目もくれなかったと、杏ちゃんからしっかり報告を受けている。
「そうか。じゃあ新婚旅行は海外にするか」
「本当に!? やったー!」
声を弾ませると、仁くんはふんわりとした柔らかな笑みを浮かべた。
その笑顔は反則だよー!
甘すぎて、かなりいい意味で胃もたれしそう。
「やるべきことがたくさんだな」
「そうだね。式場を探して、新婚旅行の場所を決めて、ドレッサーを運んで、デートして、あとは……」
あとはなにがあるかな。
楽しい予定がいっぱいで胸が躍る。
「あとは、恋人らしい付き合いをする」
「え?」
あっ、と声を上げる前に唇を塞がれた。
あまりに突然の出来事だったので目を閉じる暇すらなく。視界いっぱいに仁くんの顔が映って、そのあまりの近さにパニックに陥った。
えええええ。どうしてこんな……そうだ、あとはなにをするかという話をしていたわけで……。
それがどうして私は仁くんにキスをされているの。
朝霧家は仲がよく理想の家族像だ。
そして海外の美女にすら目もくれなかったと、杏ちゃんからしっかり報告を受けている。
「そうか。じゃあ新婚旅行は海外にするか」
「本当に!? やったー!」
声を弾ませると、仁くんはふんわりとした柔らかな笑みを浮かべた。
その笑顔は反則だよー!
甘すぎて、かなりいい意味で胃もたれしそう。
「やるべきことがたくさんだな」
「そうだね。式場を探して、新婚旅行の場所を決めて、ドレッサーを運んで、デートして、あとは……」
あとはなにがあるかな。
楽しい予定がいっぱいで胸が躍る。
「あとは、恋人らしい付き合いをする」
「え?」
あっ、と声を上げる前に唇を塞がれた。
あまりに突然の出来事だったので目を閉じる暇すらなく。視界いっぱいに仁くんの顔が映って、そのあまりの近さにパニックに陥った。
えええええ。どうしてこんな……そうだ、あとはなにをするかという話をしていたわけで……。
それがどうして私は仁くんにキスをされているの。