【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
またまた驚いた私は背の高い虹くんを見上げる。
「うろうろすんなよ」
「……だって、きっと何かの間違い──」
「だとしても、ここは男子寮だけど?」
「…………へっ?」
ごめん虹くん、今なんて言ったの?
「男子寮?」
理解が追いつかなくて、繰り返した。
「女子寮はエスポワールじゃなくて、隣にある“レーヴ”って建物」
「レーヴ? でも、私の案内状にはエスポワールって書いてあって……」
これって、部屋割りの時、私は性別さえも女子として認められなかったのか。
いくら女子力を感じないからとはいえ不当な扱いだ。
「女子がうろうろしてたら、不法侵入は黒田の方になるんじゃない?」
意地悪な口調で、顔を傾けてみせる虹くんに太刀打ち出来なくなる。