【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


お兄ちゃんが高校進学を期に家を出たことは知っていた。


清々したし、あー、もう顔も見たくなかったからよかった!って思ってた。


なのに、まさか同じ学園だったなんて。


胸が鉛のように重くなる。



「なんでって、それはこっちのセリフ。引きこもりだった妹が、こんなところにいるとは驚きだ」


「……もう引きこもりじゃないよ! それなりに人とと話したり、接したりも出来てるよ……」



淡々とした口調のお兄ちゃんを、キッと睨む。



「ずっと塞ぎ込んで引きこもってたくせに、今度は家を飛び出して寮に入った。まさかとは思うが、俺を追いかけてきたわけじゃないだろう?」


「……そんなわけないでしょ。ここに来たのは、家に招待状が……届いて」


「招待状?」



そう、私が七色学園を選んだのは間違ってもお兄ちゃんを追いかけてきたからじゃない。


家から遠いって理由でもない。

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