【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「で、でも問題ありませんから! コミュニケーション能力はまだまだ低いしクラスメイトには苗字も認知されてないけど、でも……っ」
虹くんの口から出る言葉や反応が怖くて、私は咄嗟にスマホを取り出して動画のアプリを操作した。
「……ほら!えと、この動画の先生とか、あとこのチャンネルも登録してて……人と話す練習も、笑顔の作り方も特訓してきたつもりで。だから……っ、虹くんに迷惑かけたりしないように、今日も動画で練習──」
無我夢中で解説していると、
──ムニュッ。
へ…………?
虹くんの指が私の頬っぺたを軽くつまんでいるんだけど、なぜ……?
「こんだけデカい声が出んだから大丈夫か」
「あの……」
独り言みたいにもらした虹くんを唖然としたまま見つめる。
「お前、なにこの顔」
「虹……くん?」
この顔って言われても、そんなにひどい顔してたんだろうか。