【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「違う……! いや、違くない! けど今のは私の心の住人が勝手に……」
慌てて意味のわからないことを並べたけど、
「……もう手遅れだから。聞こえてる」
「っ、」
「だいたい心の住人って、それ本心ってことかよ」
「……そ、そういうことになります」
なに言ってるのよ、私は。
それ以上言い訳出来ず、恥ずかしくて顔が熱くなっていく。
「黒田のくせに不意打ちしないで?」
「っ、ご、ごめんなさいっ!!」
髪をくしゃりと握った虹くんの横顔に、何度もごめんねと謝罪を繰り返した。
でもひとつ言い返すなら、私だってそうだよ、虹くん。
虹くんに、心を動かされてしまいそうだ。
……それももちろん本音。
虹くんの顔を見て、言えるわけもないんだけど。