【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「それから、ドアの下に挟まっていたぞ」
ひとり動揺しているうちに、部屋のドアが閉まった音が聞こえた。
「もう出てきていいよ」
お兄ちゃんは立ち去ったらしい。
クローゼットの扉を開いておずおずと出る。
虹くんはいつも通りの表情を崩していない。
「ごめんね……お兄ちゃんが……」
「別に。あれでしばらく大人しくしてもらえるといいけどな」
頷いてみたものの、さっきの会話が頭の中をぐるぐるしている。
「気を遣わせたよね……あんなこと、言わせちゃったっていうか」
虹くんの顔を正面から見れなくて、目を泳がせる。
「本心だけど?」
「へ……っ?」
素っ頓狂な声が出てしまった。
本心……?