【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「それから、ドアの下に挟まっていたぞ」



ひとり動揺しているうちに、部屋のドアが閉まった音が聞こえた。



「もう出てきていいよ」



お兄ちゃんは立ち去ったらしい。


クローゼットの扉を開いておずおずと出る。


虹くんはいつも通りの表情を崩していない。



「ごめんね……お兄ちゃんが……」


「別に。あれでしばらく大人しくしてもらえるといいけどな」



頷いてみたものの、さっきの会話が頭の中をぐるぐるしている。



「気を遣わせたよね……あんなこと、言わせちゃったっていうか」



虹くんの顔を正面から見れなくて、目を泳がせる。



「本心だけど?」


「へ……っ?」



素っ頓狂な声が出てしまった。

本心……?

< 145 / 369 >

この作品をシェア

pagetop