【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「最初に寮長から声かけられて、寮長も黒田って苗字だったから、もしかしてって思ってさ。そんであんたにカマかけてみたってわけ」
「じゃあ、私のことを誰かから聞いたわけじゃないの……?」
「そーそー。聞いてない」
な、なんだ……。
私は心底ホッとして胸をなでおろした。
その直後……
「──ただ」
机に身を乗り出して、深恵くんが私へ顔を近づけた。
「どっかで見覚えのある顔だとは思ってるよ?」
「っ、」
三日月のような目の形に捕らえられて、ドクンッと心臓が飛び出しそうになる。