【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
もしや、私が怖気ずくのを待ってるんじゃ……。
「虹くんのことはまだよく知らない……けど、ツンツンツンツンしてて、ドライで有名で……」
「正直すぎ」
「でも……優しい、かもしれないし……」
すると虹くんがふいっとそっぽを向いた。
だけど、またすぐにこっちを見る。
「そういう意味じゃないよ」
ほんのわずか、虹くんの口元が緩んだように見えた。
決して笑ってなどいないけど、あの虹くんの表情が崩れた気がして、ビックリしちゃう。
激レアだ……。
ついつい釘付けになってしまっていたら、
「黒田、お前自分が女だってこと忘れんなよ」
「へ?」
忘れかけてはいたかもしれないけど。
「男と女がこんな狭い部屋で一緒に寝るんだから、何もないとは言いきれないだろ?」
「っ、」
言われたこともないセリフを直球で言われたせいなのか……。
それとも、そんな展開をちょっと想像しちゃったからか、ドキッと鼓動が揺れた。