【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「黒井さん……じゃなくて、黒田さんよね?」


「黒田の方です……」



ちなみに黒井という苗字のクラスメイトはいませんが……。


未だに委員長さんにも認知されていないとは悲しみだ。



「プールの授業への参加用紙、まだみたいだけど……持ってきてるかな?」



ああ、なんてタイミング……。



「ご、ごめんなさい! 実はまだなんです……明日でもいいでしょうか……?」



すみませんすみませんと謝ると、



「じゃあ明日必ず。締切はとうに過ぎてるの」


「必ず提出します……!」


「あとウチのクラスは、黒田さんと虹くんだけだから」



え、虹くんもまだだったの……?


だったら、提出期限が過ぎてるってこと、帰ったら教えてあげよう。


虹くんってば意外と忘れっぽいのかな。


そして、これが思いもよらぬ手がかりになるとは、この時知る由もなかった。

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