【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「だけど……」
「前に言ってたろ。人生リセットしたくてここに来たって。それに、イジメられてたからって」
「……、」
胸の奥に疼くような痛みが走った。
「わざわざそんな辛いこと思い出す必要ない。忘れたい記憶は、誰にだってあるだろ」
陽射しを浴びた虹くんの綺麗な瞳は、迷うことなく私を見つめていた。
傷ついたような表情で、笑顔を見せようとする虹くん。
「たから、そんな顔すんなよ」
躊躇なく伸ばした虹くんの手は、優しく私の頭を撫でた。
虹くんの手は温かくて、安心する。
「……虹くんもだよ」
「俺?」
「うん。虹くんだって言いたくないこと言わなくていいんだよ? 教室でも……そうだよ」