【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「……おい、そんな際どいとこ歩くなよ」
「大丈夫だよ!」
大嫌いな場所なのに、来た時よりもずいぶん心が軽い気がした。
私は裸足のまま、プールサイドの縁を歩いて出口へと向かっていた。
「お前が落ちそうになっても俺は助けてやらないから」
すでに虹くんはツーンとした口調に戻っていた。
海水よりもしょっぱいですね……。
でも、全然嫌じゃない。
「……っ、」
え……。
ふと、私はあることに気づいて顔だけを虹くんに向ける。
「……虹くん、じゃあこの手はなんですか?」
助けてやらないとか言ってたくせに、私の制服の裾をしっかり掴んでるこの手……。