【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「ホントに落ちそうだからこうしてんの」
なんか文句あんの?と……。
ううん、と首を振るのが精一杯。
……だって虹くんは、ズルいと思う。
素っ気ない態度なのに、虹くんはやっぱり優しいって思ってしまう。
虹くんが気になって、ドギマギしたまま歩いていたら、
「うわあぁぁぁ……っ!?」
私はやらかしたのだ。
ぬかるんだ場所に足をとられ、バランスを崩した。
「おい……っ」
キラキラ光るプールへと身体が傾いていく。
これはダメだ、落ちる……!
だけどその時、グイッと虹くんが私の腕を掴んだ。
間一髪、落下は免れた。
だけど、それはほんの一瞬だった。
ぐんっと縮まる距離。
虹くんと目が合って、私と虹くんはともに驚く。
まるで、何かを思い出したかのように、時間が止まる。