【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
──“沈めてもコイツなら不死身じゃね?”
──“これは星七ちゃんへの制裁なんだよ?”
いくつもの手に押さえつけられた小さい頃の私。
苦しい思い出が詰まった遠い日々の記憶が蘇る。
いつだって、忘れたくても過去は無遠慮に顔を出す。
「大丈夫か……?」
心配そうな虹くんの声にハッとして我に返る。
「……大丈夫……っ。ごめんね、私また迷惑かけて……」
まだ心臓がバクバクと激しく揺れている。
「そう思うんなら、俺の隣歩いてくれる?」
だけど、虹くんの声に落ち着きを取り戻し、素直に隣を歩いた。
「やっぱり知ってる顔だな──」
風が強く吹いたと同時、虹くんが何か言った気がした。
「え? 虹くん……今なにか言った?」
「……別に」
首を傾げても、虹くんはふいっと目を逸らして再び歩き出した。
「──そんなこと、あるわけないよな……」