【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
身体を起こして隣に目をやると、案の定、黒田はまだ寝てる。
最初は同じベットで寝ることを躊躇ってたくせに、意外にも寝相が悪いんだよな。
落ちそうになった黒田を抱き止めたこともあるくらい。
……マジで焦る。
寝返りはめちゃくちゃ打つし、たまに俺に足乗っけてくるし……。
何度安眠妨害してくるつもりなわけ?
だけど、今日は違った。
「……お母さん……」
か細く吐き出された声。
ホームシックかよ……。
そう思った直後、うなされているのか、黒田の寝顔が苦しそうに歪んだ。
「……黒田?」
呼びかけるとピクリと反応して、長い睫毛を濡らして涙が頬を伝っていった。
──ほっとけばいい。
今までなら誰に対してもそうだった。
些細なことも全て、無関心でいることが一番楽だから。
それなのに、なんでだよ。
全然ほっとけねぇ……。