【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「まだ寝てるわけ?」



不機嫌そうな声が、まどろみの中で聞こえた。



「俺がいないと、この部屋も出れないってのに、のんきに寝てるし」



はぁ……って溜め息までもが聞こえる。


遅刻しなきゃ大丈夫だから、あと少し……。



「だいたい、なにこの寝方。無防備すぎなんだよ」


「んぅ……」


「この先毎朝これが続くわけ? おい、起きろよ」



──パチリ。


さっきよりもしっかりした声が聞こえて、パッと目を開く。



「え……あれ? 」



私の上にまたがる男子が眉根を寄せている。


そんな不機嫌な顔さえも極上な男子。



「いい加減起きないと、置いてくよ?」



ここは男子寮の707号室。


この極上男子は、塩とドライ対応で有名な学園のプリンス。



──そして、私の秘密のルームメイト。

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