【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「に、虹くん……っ?」
一気に鼓動が加速を増した。
誰にも興味を持たないと有名な虹くんだったのに。
だったら、この状況でもほっておく方が普通なのに、どうして……。
自問自答をして、こんな優しさは反則だって心の中で叫んだ。
……反則すぎるのに、やっぱり嬉しくなる。
「なんでもないの……昔の夢を見て……」
優しく撫でる虹くんの手に、喉の奥が苦しくなる。
「そ、そうだ……学校も休みだし、トレーニングでもし……」
必死に誤魔化さないと、言葉の代わりに涙が溢れてしまいそうだった。
「離してやんないよ?」
けれど、阻止するかのようにギュッと背中に回された虹くんの腕。