【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「に、虹くん……っ?」



一気に鼓動が加速を増した。

誰にも興味を持たないと有名な虹くんだったのに。


だったら、この状況でもほっておく方が普通なのに、どうして……。


自問自答をして、こんな優しさは反則だって心の中で叫んだ。


……反則すぎるのに、やっぱり嬉しくなる。



「なんでもないの……昔の夢を見て……」



優しく撫でる虹くんの手に、喉の奥が苦しくなる。



「そ、そうだ……学校も休みだし、トレーニングでもし……」



必死に誤魔化さないと、言葉の代わりに涙が溢れてしまいそうだった。



「離してやんないよ?」



けれど、阻止するかのようにギュッと背中に回された虹くんの腕。

< 200 / 369 >

この作品をシェア

pagetop