【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「鼻も目も真っ赤だな?」
子供扱いしているみたいに少し笑った。
なのに、今度は優しい口調の虹くんに、涙腺が緩んでいく。
「……虹くんは……っ、何もしなくていい」
「は?」
「泣いたりしないから……これ以上、迷惑かけないから……」
だからどうか、嫌いにならないで。
込み上げてきた気持ちを伝えようとしたけれど、
「何も出来ないかもしれないけど──でも、お前のこと抱きしめたくなるかもしれねぇだろ……」
その言葉と同時に、さっきよりも強く抱き寄せられた。
「この部屋にはひとりで泣く場所もないしな」
だってこの部屋には虹くんがいるから。
虹くんがいるから、ひとりじゃない。
それが今、とても安心するんだよ。
ねぇ虹くん。
どうしてそんな風に、私の心を汲んでくれるんだろう。