【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
私がこんなことを言ったからショックを受けたのか、みるみるうちに顔が真っ青になっていく。
「あのね、星七。今からお母さんのことを話すけど、聞いてくれる?」
真剣な眼差しに私は相槌を打つ。
私の手をそっと包み込むと、お母さんは意を決したように口を開いた。
「城ヶ崎さんのお母さん──奈々恵(ななえ)とは友達で、一緒に小さな島で育ったの」
それはとても小さな島で、小学校も島にはひとつ。
お母さんと奈々恵さんは、巡りゆく季節に共に足跡を残してきた。
「奈々恵は本当に明るくて元気な女の子だった。引っ込み思案のお母さんのことを引っ張ってくれて、元気で、島の大人はみんな奈々恵のことをニコニコしながら見ていた」
奈々恵さんはお母さんの憧れだった。