【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「なんの取り柄もないお母さんだったけど、勉強だけは出来たのよ。誰かと話すよりも、教科書を読んでいる時間が多かったから……」
奈々恵さんはいつもそんなお母さんを「すごいなぁ、月子(つきこ)は」と褒めてくれたそうだ。
「静かで綺麗な島が大好きだった。けど、ひとり……またひとりって、島を出て行く人が増えてね。島の人はみんな嘆いていたわ。お母さんと奈々恵も、島には高校がなかったから、違う土地に越して通うことになったの」
後ろ髪を引かれる思いで島を出て、同じ高校に進学したそうだ。
「お母さんね、その学校で好きな男の子が出来たのよ」
恥ずかしそうにお母さんが呟いた。
フランス人のハーフで帰国子女。
顔立ちもよく、「ハンサム」だと評判で、女子からの憧れの的。
幼少期は外国で過ごしていたそうだ。