【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
お母さんは時間をかけて奈々恵さんの両親や教師への誤解は解けたものの。
気づいた時には、お母さんは“恐ろしい魔女”と呼ばれていた。
──“島の子供が消えたのは、月子の魔術のせいなのよ”
──“小学校も廃校になって、あの島にはもう子供がいないって聞いたよ”
──“もしかして、月子ちゃんが黒魔術の生贄にしてたとかじゃない?”
ウワサはひとり歩きしていく一方で、歩み寄ってくれる者はいなかった。
──“月子を幽閉してやろう”
誰かが提案した。
罵られ、これ以上災いが降り注がないよう暗い部屋へ閉じ込められ、お母さんは迫害される日々だったと私へ打ち明けた。
まるで今の私と同じだと思ったら、ヒリヒリと胸が痛んだ。
「お母さんに手を差し伸べてくれたのは、彼だけだった」