【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
それでも、彼まで巻き込みたくないお母さんは口を閉ざし続けていたらしい。
──“僕はキミが魔女だろうと好きだ”
彼はそう言って、いつも熱心に閉じ込められた部屋へ通っては、お母さんの心を救ってくれたと言う。
「その彼って、もしかして、お父さんのこと……?」
「残念だけど、お父さんじゃないの。彼とは高校を卒業してから連絡先もわからなくて、それっきりになってしまったの」
苦しい日々を支えてくれた彼がいたから、お母さんは諦めずにいられた、と強い口調で言った。
「……ごめんね、星七」
全てを打ち明けたあと、お母さんは涙声で呟いて、私を強く抱きしめた。
「星七……学校に行くのが、苦しい?」
言葉の代わりに、温かいお母さんの腕の中でふるふると頭を振った。
本当は苦しいし学校なんて行きたくない。
でも、お母さんを悲しませたくなかったんだ。