【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
心配して何度も声をかけてくるお母さんの顔もくたびれていて、痩せこけていた。
お兄ちゃんは家の中で私を見るけれど、声をかけてくることは一度もなかった。
何か言いたそうにしていたけれど、無言を貫いていた。
──“恥ずかしい奴……”
ある日の帰り道、下校途中のお兄ちゃんは、男子に石を投げられていた私に言ったのだ。
なんだって出来て、容姿も抜群なお兄ちゃんにとって、私の存在は迷惑だっただろう。
それからずっと私は部屋の中で過ごした。
外へ出なければ傷つけられることもない。
それと引き換えに、お母さんは頻繁に外へ
出ていくようになった。
部屋の窓から外を見た時、男の人と楽しそうに話しているお母さんがいた。
あんな風に笑っているお母さんの顔を見るのはいつぶりだろう……。
お母さんも嫌気がさしていただろう、こんな娘で。
同じ家にいるのに、お母さんと言葉を交わすことは滅多になかった。
情けない娘でごめんなさい。
嘆くことしか出来す、どうして私はこんな人間なんだろうかと自分を責め続けた。