【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
我慢しきれなかったみたいにクスッと虹くんが笑みをこぼした。
ほら……またそうやって。
私の心を動かしていく。
「……私、もっと頑張るから」
何を頑張ればいいか明確にはわからないけど、逃げることはもうしない。
過去を封印して無理に笑うことも。
そしていつの日にか、変われた私の姿でお母さんに会いたい。
涙を拭って、そう思わせてくれた虹くんに視線を注ぐと、あの時出会った男の子の姿が蘇った。
無愛想だけど優しかった彼。
どうしてか、虹くんと重なったんだ。
「不思議だな……虹くんと一緒にいると、あの男の子のことを思い出すから」
口からこぼれた私の声に、虹くんの瞳が一瞬、動揺するかのように揺れた。