【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「……あの男の子の瞳に映る世界が優しい色をしてるといいなって、今でも願ってる」



変わらないよ──と、伝えようとしたけれど、



「……虹くん?」



それよりも早く、虹くんが私を強く抱きしめた。

一瞬見えた虹くんの表情は、切なさに染まっていて……。

なぜか、あの男の子が思い出の中で泣いてる気がした。



「……強引で悪い。でも、お前がここにいるって思ったら我慢出来なかった」



確かめるように私を抱きしめた虹くんの腕は、心なしか震えていたような気がする。


ピタリと重なる身体は、こんなにも温かいのに。

< 236 / 369 >

この作品をシェア

pagetop