【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「……あの男の子の瞳に映る世界が優しい色をしてるといいなって、今でも願ってる」
変わらないよ──と、伝えようとしたけれど、
「……虹くん?」
それよりも早く、虹くんが私を強く抱きしめた。
一瞬見えた虹くんの表情は、切なさに染まっていて……。
なぜか、あの男の子が思い出の中で泣いてる気がした。
「……強引で悪い。でも、お前がここにいるって思ったら我慢出来なかった」
確かめるように私を抱きしめた虹くんの腕は、心なしか震えていたような気がする。
ピタリと重なる身体は、こんなにも温かいのに。