【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「……ズルいだろ、こんなの」
独り言のように宙を舞った虹くんの声。
何も聞けなくて、何も言えない私は、無意識に虹くんの背中に手を回した。
……虹くんがしてくれるように、温かさを与えてくれるように。
私も自分の意志でそうしたいと思ったから。
「私は、ちゃんと虹くんの目の前にいるよ」
「……ごめん。しばらくこうさせて」
この時、もしかしたら虹くんはわかってしまったのかもしれない。
どうして私達がこの部屋に引き寄せられたのかを。
だけど、
──虹くんが背負い続けているものを、私はまだ知らなかった。