【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「たまには腹いっぱい食べろ。倒れられても困るからな」
「……あ、ありがと」
無性に照れくさくなって、情けないくらい小さい声でしか言えなかった。
「それと、短冊はあっちにある。言うまでもないと思うが、くだらない願いごとなんか書くなよ」
「……なっ!? 今より体脂肪が減りますように!とか書きませんよーだ!」
反論してベッと舌を出してみせると、
「……それも、星七らしくていいけどな」
ボソッと呟いた声が耳に舞い込んできた。
「え?」
足元から急いで目を上げれば、慌てた様子でお兄ちゃんが前髪をくしゃりと掴んでいた。
「だがっ、寮の門限は守るように……」
早口で言いながらお兄ちゃんは人混みに消えていった。
久しぶりに名前で呼ばれたかも……。
なんだか懐かしさがこみ上げてきた。