【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


……あ、あれ?

黒田さんって……。

今、ちゃんと名前で呼んでくれた?

今まで黒井さんとか黒木さんだったのに。

そんな些細なことでも私には嬉しくて。


──“黒田だから”


だって、それは虹くんのおかげだってことがわかるから。



「悪いけど黒田と用があるから、ふたりきりにしてくんない?」



虹くんの声が鼓膜を揺るがして、ドキドキと胸が高鳴った。


ぶーぶー文句を言っていた女子だったけど、すんなり引いてくれたみたい。


ホント、プリンスの一声って感じだ。



「……早く終わらせるぞ」



笹飾りを指さす虹くんと一緒に短冊を手に取った。

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