【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「ホント、お前ってズルい」
薄闇の中で不服そうにしている虹くんの横顔が、ほんのりと赤く染まって映る。
だけど、次の瞬間、
「……っ、」
ちょっと待って、虹くん。
私は短冊を持つ手が止まった。
今私の視線は、虹くんの短冊に注がれている。
虹くんが書いた願いごとが、すぐにでも滲んでしまいそうになる。
【この先も黒田が笑っていられますように】
「……虹くんどうして? もっと、自分の叶えたいことを書いたっていいのに……」
もっとわがままでいいのに。
こんなの、私のことズルいって言ったくせに、虹くんの方がもっとズルいよ。