【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


久しぶりに母の笑顔を見たあの頃。

一緒にいたのはここにいる男の人だった。


今いる位置からだと何を話しているのかハッキリわからない。


ふたりは適度な距離で会話をしてる様子だ。


久しぶりに見たお母さんの姿に、喉の奥が苦しくなる。


毎日私が既読無視をしようとも、メッセージをくれていたのに。


私は勇気を出して連絡することも出来なかった。


けど、大好きなお母さんがこんなにも近くにいるのだ。


声が聞きたい、顔が見たい。

“ごめんなさい”を言いたい。


それでも、子供みたいに泣きそうになった私は必死に歯を食いしばった。


……だけど、



「私……声掛けてくる」



耐えきれずにその場を駆け出そうとした。

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