【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「それに、俺には会う資格がない……」
悔しそう拳を握る虹くんの横顔を、私は呆然と見つめることしか出来ずにいた。
……けど、その時だった。
誰かが駆け寄ってくる気配を感じたのは。
「……星七?」
懐かくて優しい声が、耳に染み渡る。
「お母さん……?」
「やっぱり……星七よね。驚いたわ」
母親というのはすごいものだ。
どれだけ離れていようとも、とれだけたくさんの人に紛れていても、子供の姿を見つける。
「ここ、学校の近くなのよね?」
「うん……」
「まさか会えるとは思ってもみなかったわ。ご飯、ちゃんと食べてる……? 困ってることはない?」