【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


うん、とぎこちなく頷いた。

シワが増えたお母さんの手は、優しく私の肩を撫でる。


お兄ちゃんが言ってた通り、お母さんが心配してくれていることを、今さら痛いくらいに感じて。


本当は、すぐにでも抱きついてしまいたかった。



「……あの人は、誰?」



だけど、どうしても気になって仕方ない。

私はそっと重い口を開いて尋ねる。


お母さんは狼狽えることもなく、瞳を緩ませて私を見た。



「昔、星七に話したことがあるでしょう? 助けてくれた彼のこと。その彼は、この人なのよ」



お母さんを助けてくれた初恋の人が……?

< 270 / 369 >

この作品をシェア

pagetop