【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「星七が中学に上がる頃、本当に偶然再会したの。それからお互いに相談したいこともあって、時々会っていたのよ。もちろんお父さんも知ってるわ」


「俺の親父と……?」



驚きを隠せなかったのか、虹くんが躊躇いがちに問いかける。



「──虹」



同時に、渋みのある声が虹くんの名前を呼んだ。


お母さんの数歩後ろにいた虹くんのお父さんは、心配そうな表情でこちらまで歩み寄る。


お母さんから聞いていたように、フランス人のハーフなのだろう。


不意に見上げたその瞳はとても綺麗な色をしているのに、悲しく揺れていた。

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