【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


旧魔女の部屋には、一体何があるのだろう。



「待って黒田。ライトつけるから」



虹くんがスマホのライトをつけて進路を照らしてくれる。

部屋を出ていざ出陣!

もちろん見つかるわけにはいかない!

やる気スイッチはONだ!



「なんか、すげぇ気合い入れてね……?」


「だって、今はもう消灯時間も過ぎてるわけだし。それに翠がくれた情報じゃ、見張り番も増員したって! だから、私は今から裏組織に潜入捜査する捜査官の設定ね!」



エネルギーがみなぎる私に、「なんだよ、それ」と、背中越しで虹くんが笑った気配がした。



「……お前のそれ聞けんのもこれが最後になりそうだな」



最後……と言う言葉がやけに悲しげに聞こえた。


それでも、気持ちを立て直して一歩一歩慎重に階段を降りていく。

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