【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
トイレ掃除一ヶ月とかエグいだろ、と深恵くんがヘラヘラ笑っている声が聞こえる。
「でもラッキー。虹と会えたわけだし。このまま俺の部屋に連れ込みたいくらい」
深恵くんが言うと下心丸出しって感じに聞こえるんだけど……。
「悪いけど、もう部屋戻るから」
「ふぅん? とか言ってるけど、虹の足は部屋とは真逆に進んでるよねー? なんで?」
鋭い突っ込みに虹くんがだんまりする。
「目的地は1階? だったら、そこにはなんもねーよ?」
「……は?」
まるで見透かしたような深恵くんの発言に、私まで心臓が縮みかける……。
「前も思ったんだけど、虹……お前なんか探してんの?」
「……んなわけないだろ」
「そう? 婚約者の勘ってやつだったんだけど、外れた?」
虹くんを溺愛する発言をさらっと言ってのけるのは、深恵くんだけだろう。