【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「……お前と婚約した覚えはないって」


「あははっ。まぁ、俺はそんくらい虹に夢中ってこと。ガキの頃からずっと……」



そうだ。

深恵くんはいつも虹くんを見ている。

大切で、大事な存在だから、守りたい一心で。

虹くんだって、それを言わずもながわかっているんだろう。


だから、深恵くんだけは虹くんのテリトリー圏内で、自然と虹くんの隣にいれるのだ。



「外も見張り番がいる。だから気をつけろよ、虹」



何かを察したように深恵くんはあっさりと言い切った。



「それと……虹には、俺がいるってことも忘れんなよ」



迷いのない声に、虹くんは「わかってるよ」と、一言だけ返した。

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