【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
こっそり顔を出し、深恵くんが静かに立ち去っていったのを確認する。
ふぅ……。
ホント、危なかった……。
もし今見つかっていたら、果てしなく追求されていただろうな。
……だけど、
「……虹くんのこと、大好きなんだね」
張り詰めた緊張の糸が解けて、私は虹くんにポツリと言った。
「大地だけは、いつも俺のそばを離れなかった」
たったひとり、深恵くんだけは……。
悲しい響きに私は虹くんを見上げた。
「知ってる……聞いたから……」
驚きを宿した真っ黒な瞳が私へと向けられる。
「聞いたのか……」
掠れた声で零した乾いた笑みに、見てる私まで痛くなる。