【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「うん。深恵くんって、私の中の要注意人物だったんだよね。私のこと捕まえて、虹につきまとうなって釘さしてきて」
誰よりも先回りして、虹くんの盾になろうとして。
「けど、私に向けられていた深恵くんの敵意も、全部虹くんを傷つけようとするものから守りたかったからって、今ならわかるよ」
「……アイツ、いつも俺のことばっかりだった」
今も……と、深恵くんのことを思って呟いた声は、微かに震えていた。
「虹くんの痛みは虹くんのもので。私にも、深恵くんにも……それに、虹くんのお父さんにも……わからない。でも……」
目をいっぱいに開いたまま立ち尽くす虹くんの手に、私は自分の手をそっと重ねた。
「私にしてくれたように、虹くんの心を温かくしたいって思うんだ」
「……っ、」