【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
♡秘密のルームメイト
──ゴールデンウィーク最後の日曜日。
私は今、大きな建物の前に立っている。
すごい……。
まるで外国に来たみたい。
ゴクリ……と喉を鳴らす。
全ての荷物を詰め込んだキャリケースを片手に、その門をくぐった。
私、黒田 星七(くろだ せな)は、地元から電車で二時間は離れている七色(なないろ)学園に入学した。
理由はこのホテルのような寮があるからだった。
入寮希望者は毎年殺到するため、抽選で当たれば入寮が認められるというもの。
くじ引きか……。
そう思ったけど、今となってはくじ引きだろうがなんだろうが、どうだっていいのだ!
入寮をかけた激戦の末、私は勝利した。
神様はこれまで悲惨な目にあってきた私に微笑んでくれたらしい。
今までくじ引きと言えばティッシュかうまい棒しか当たったことのないこの私が!