【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
♡今夜、魔法にかけられて
はぁっ、はぁっ……!!
無我夢中で外まで逃げてきた私と虹くんは肩で呼吸をしていた。
「……あぶねっ。見張り増やしすぎだろ」
「……ホント……深恵くんの他に、あと何人いるの!?」
寮の敷地内ではあるけれど、外に出てきちゃ部屋を探せないかもしれない。
それに、今私の心臓は全力で逃げてきたこと以外にも、虹くんの言葉にドキドキして、苦しいくらいだ。
「戻るしかないだろ」
「そうだよね。部屋を探さなきゃ……って。あれ……?」
不意に見上げた私の視界に飛び込んできたのは、『塔の上の部屋』だ。
翠が言っていたウワサを思い出した。