【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
エスポワールとレーヴの間に建てられた『塔の上の部屋』。
「……虹くん、あの部屋、行ってみない?」
「……お前正気か?」
空へと繋がっているほど高い塔を見上げて頷いた。
「翠から聞いたの。あそこは昔、誰かを閉じ込めるために使っていた部屋だ……って」
「閉じ込める?」
「あくまでもそれはウワサだけど、行ってみる価値はあると思う……!」
寮生の誰ひとり近づこうとはしない部屋。
時々、出入りされている気配があるとは聞いたけど、それだって本当かわからない。
「黒田がそこまで言うなら行ってみるか」
「うん!」
よし……虹くんと意見が一致した。
汗ばんだ額を拭って、塔へと歩き出す。