【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
誰かがつけたものだと思った。
「鍵の番号……心当たりなんてないし……カードにもヒントはなかったもんね」
三桁の数字が必要みたい。
うーん……と、考えても思いつかない。
虹くんも、やけに真剣な眼差しで鍵を見据えていた。
そして、
「黒田、俺がやるからちょっとこっちにいて?」
「虹くん、鍵の番号わかったの!?」
冷静な虹くんはダイヤルを回して番号を合わせていく。
──カチッ
「やっぱりな。開いたぞ」
「す、すごい……っ、虹くんすごいよ! 泥棒になれちゃうよ! 天才!」
「……それ褒めてんのかよ。てか、これはむしろ簡単なくらい」
この『塔の上の部屋』を開ける鍵の番号は、“707”だった。