【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「707って……」
「俺と黒田の部屋番号。それからふたりで過ごす期限にも“7”の数字が入ってるだろ?」
「7月7日……。そっか……でも、それがこの部屋に繋がる鍵って……。じゃあ、ここと私達には、何か関係があるのかな?」
「それは自分の目で確かめるしかない」
大きく相槌を打って、私は中へと踏み出した虹くんの後ろをついていく。
「おい。足元には気をつけろよ?」
塔の中の狭い螺旋(らせん)階段に声が反響している。
「大丈夫……っ」
本当に真っ暗だ。
再び虹くんがスマホのライトをかざしてくれるからなんとか歩けるけど……。
長い階段をヒィヒィ言いながら登っていく。
ぐるぐる目が回りそうだよ……。
もしここが正解だったとしても、私達に旧魔女の部屋ってわかるんだろうか?
性格の悪そうな送り主のことだから、魔女の部屋ですよ、なんて書いてるわけないだろうし。
「や、やっと着いた……!」
階段を登りきって、扉の前に辿り着いた頃には、汗びっしょりだった。
お風呂に入った意味がないくらいだ。