【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「黒田、開けるぞ」
「……に、虹くん……っ、待って待って! もしかしたら、この部屋の中に誰かいたりして……」
「は? だったらそいつに聞けばいいだろ?」
「で、でも、ここは昔、誰かを閉じ込めるために使っていた部屋だっていうし……その人が幽霊となってここに居座っていたり……」
がくがくと身震いを起こす私に、呆れたような溜め息をもらした虹くん。
だけど、その手はポンッと私の頭の上に乗せられた。
「そんなに怖いなら俺の背中にひっついてればいいでしょ?」
「……っ、そんな大胆なこと出来な……」
「早く」
虹くんの声に急かされて、言われるがまま私は虹くんの背中に身を寄せた。
──ギィッ…
扉を開けると、そこは707号室よりも狭いひとつの部屋だった。