【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「……偶然にしては出来すぎてるだろ。母さんから聞いたことは嘘じゃないだろうけど」
「もしかしたら、ここでふたりは会っていたのかな」
お母さんは言っていたよね。
唯一、手を差し伸べてくれた男の子がいたってことを。
今もなお、この部屋にはふたりの名前が残されている。
「ここは、間違いなく旧魔女の部屋……だね」
昔、虹くんのお父さんは寮長さんだった話を聞いて、私はこんなことを思う。
「この塔の上の部屋に閉じ込められていたお母さんを、虹くんのお父さんが見つけてくれたんじゃないかな」
彼がいたから、お母さんは諦めずにいられたんだって言っていたから。